肩こり

首こりと肩こりは不可分な関係で、切り離して考えることは出来ません。当院でも首と肩は同時に鍼灸治療をおこないます。
ですが、ここでは便宜上、首こりと肩こりを分けて説明させて頂きます。首こり編も併せてご覧いただけますと幸いです。
ここでは、鍼灸目黒治療室でおこなう肩こりに対するトリガーポイント鍼治療の一端をご紹介したいと思います。

まず、肩のコリでつらいと訴える部位として多いのが僧帽筋の上部があります。

図はすべて「クリニカルマッサージ」医道の日本社より)

この部位が凝ると頭痛を引き起こすこともあります。表層にある筋肉ですので、少々の張り程度ならマッサージでも対応可能ですが、コリが発達してコブの様に盛り上がってしまっているものや、石のように固くなってしまっている場合には、マッサージではとても太刀打ちできません。この様な場合は鍼灸治療がとても有効です。
なぜ鍼灸治療が有効かと言うと、上記の様な状態の場合は、もはや僧帽筋単独のコリではなくなっているからです。上の図の右半分は僧帽筋を取り除いたもので、一層深いところにある筋肉群です。コリはすでにこれらの筋群にも及んでいるため、鍼じゃないとアプローチ出来ません。
僧帽筋の下には、更に重要な筋肉が隠されています。肩こりの真犯人と言っても過言ではありません。それが肩甲挙筋です。インナーマッスルです。

上の図のように頚椎の真横にある横突起というところから肩甲骨の上角に走行しています。
読んで字のごとく肩甲骨を持ち挙げる時に使う筋肉です。緊張して無意識に肩をすくめてしまう癖のある方がよく凝る場所です。特に、肩甲骨上角に付着する部位に頑固で大きなコリを作ります。このコリを、前述の僧帽筋のコリが重なって作るミルフィーユ状のコリが、コブのような盛り上がりの正体です。
この様なコブに対しては、僧帽筋に鍼を刺したうえに、肩甲骨の上角に沿わせるように鍼を刺入していき、肩甲挙筋の付着部のコリを根元から削ぐように進めて行くと非常に効果的です。
この様に書いてしまうと、さも恐ろし気に感じてしまうかもしれませんが、使用する鍼は髪の毛のように細く柔らかいので、慣れてしまえばとても心地よく、初めての方でも治療中にウトウトしてしまう方も多いです。是非、勇気を出してチャレンジしてみてください。世界が変わると思います。

更に肩こりの治療で外せないのが肩甲骨の内縁です。ここに辛さを訴える方も非常に多いです。
そこで重要なのが小菱形筋と大菱形筋です。

上図のように、背骨の棘突起というところから肩甲骨の内縁に走行しています。
やはり、この筋肉の場合も骨に付着する部位の治療がとても重要になります。よく見逃されがちですが筋肉というのは、付着部にかかる負担がとても大きいので、ここに頑固なコリを形成しやすいです。ですのでしっかり意識して刺しきる治療が必須です。そしてもっと重要な真犯人がこの菱形筋の更に下層にも隠されています。
上後鋸筋です。

この筋肉が凝ってくると、動悸や息切れ、呼吸が浅くなったり心臓を締め付けるような痛みや苦しさといった症状が現れることもあります。

更に肩甲下筋です。

上の図は少しわかりづらいですが、前から見たところで、肩甲骨の裏側から上腕骨に走行しています。

 

上の図は背中側から見た図です。肩甲骨を透かして見ると肩甲下筋はこの様な形をしています。肩甲骨を浮かせて天使の羽のようにした状態で、添えている左手の人差し指のラインから肩甲骨の裏側へ鍼を入れていくと、先ほどの上後鋸筋と一緒に肩甲下筋も一網打尽にできます。側臥位でおこなうとやりやすいです。鍼灸治療未経験の方がこの記事を読まれると深く刺されるんじゃないかなど恐怖心を掻き立てられているかもしれませんが、全く怖いことないので、是非、勇気を出してチャレンジしてみてください。世界が変わると思います。

更に上の図は、背中側から肩甲骨を見た図です。この棘上筋・棘下筋・小円筋は肩甲骨の表側に付着する筋肉です。これらの筋肉に慢性的な痛みがあったり、肩を挙げた時に痛みを感じたり可動域制限が有る場合は要注意です。五十肩予備軍です。
肩甲骨の表と裏側を同時に治療することが非常に重要です。

以上となりますが、これらは当院でおこなう肩こりの鍼灸治療のほんの一端です。全て説明しようとすると大変なボリュームになってしまうので、この辺りにしておこうと思います。
興味のある方は是非、鍼灸目黒治療室までご連絡下さい。

お待ちしております。

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