首こりと肩こりは不可分な関係で、切り離して考えることは出来ません。当院でも首と肩は同時に鍼灸治療をおこないます。
ですが、ここでは便宜上、首こりと肩こりを分けて説明させて頂きます。首こり編も併せてご覧いただけますと幸いです。
ここでは、鍼灸目黒治療室でおこなう肩こりに対するトリガーポイント鍼治療の一端をご紹介したいと思います。
下の図の黒い印のところが凝って辛いという方が多いです。
ツボの名前でいうと天柱(てんちゅう)に相当する部位です。(図はすべて「クリニカルマッサージ」医道の日本社より)
頭半棘筋という筋肉にできたコリですが、実は更に下の層にある上頭筋・小後頭直筋・大後頭直筋のコリも合わさって作られています。
この三つの筋肉をあわせて後頭下筋群と言ったりします。
眼精疲労ととても関係の深い筋肉群です。目の焦点を合わせるときに働く毛様体筋が働くときに、後頭下筋群も連動して収縮することが知られています。
この首の付け根の左側にコリがあれば利き目は左、コリが右に有れば利き目は右ということが多いです。7割くらいの確率です(中尾調べですが)。
また、ここに頑固なコリがあると、頭痛、目の奥の痛み、後頭神経痛などを引き起こすこともありますでとても厄介です。
これらの筋肉は体表からは深い場所に位置するため、鍼治療が適しています。
後頭下筋群すべてのコリに鍼を命中させると、首から頭にかけて何とも言えぬ心地よさが広がります。治療後は視界が明るく広く、頭もスッキリ軽くなります。
次は前斜角筋と中斜角筋です。この筋肉は特に女性が凝りやすいです。
頚椎から肋骨にかけて走行する筋肉で、肋骨を引き上げて呼吸を補助する働きがあります。
女性は胸腹式呼吸が多いので、この筋肉が凝りやすいです。
この二つの筋肉の間を腕に行く神経と血管が通ります。この筋肉が凝ってしまい神経と血管が圧迫されると腕や手に痺れが出ます。これを胸郭出口症候群と言います。やはり女性に多いです。中には革ベルトのように固くなっている方もいます。この様になってしまうと自律神経にも支障をきたしてしまいますのでしっかり治療しなければいけません。
革ベルト状態の筋肉にはもはや柔らかくて細い鍼は刺さりませんので、やや太めで硬度のある鍼を使うことになります。それも複数本同時に刺さなければ改善しません。
首の真横に鍼を何本も刺されることを想像すると、鍼初心者の方はさぞ怖いとお思いでしょうが、全く心配要りません。刺さっている間はじんわりとコリがほぐれていく感じがとても心地よいですし、副交感神経も優位になるのでウトウトしてしまう方も多いです。
是非、勇気を出してチャレンジしてみてください。世界が変わると思います。
また中斜角筋と後斜角筋の間から、背中に走る肩甲背神経も出ているので、この二つの筋肉のコリで圧迫されると、肩甲骨の内側あたりに痛みが出ます。ここも見逃すわけにいかないです。
そして次は胸鎖乳突筋です。かなり重要な筋肉です。頑固な頭痛や自律神経失調症、慢性的な疲労感など、多くの症状の原因になるところでもあります。
下の図は前から見た図です。
のどがいつもゴロゴロする異物感を訴える症状(咽喉頭異常感症・ヒステリー球)を引き起こすこともあります。また、椎骨動脈という脳に血液を送る血管の血流にも影響するため、疲れが取れにくい、睡眠が浅い、物忘れ、集中しづらいなどの症状が出ることもあります。
特に頭蓋骨への付着部(乳様突起)に頑固なコリを形成している場合には、コリを根こそぎそぎ落とすような鍼治療が必要になります。この筋肉がいい状態に改善できると今までの辛さから解放されます。是非チャレンジしてみて下さい。
以上となりますが、これらは当院でおこなう首こりの鍼灸治療のほんの一端です。全て説明しようとすると大変なボリュームになってしまうので、この辺りにしておこうと思います。
興味のある方は是非、鍼灸目黒治療室までご連絡下さい。お待ちしております。
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